はじめる前に知っておこう。子供の習い事の種類と選び方

アイキャッチ はじめる前に知っておこう。子供の習い事の種類と選び方

子供の将来のために何かしら習い事をさせたいと思う家庭は多いでしょう。学研教育総合研究所の小学生白書によれば、小学生の内、「学校以外で行っている習い事(勉強やスポーツなど)はない」の回答割合は27.5%を占めていることから、72.5%の小学生が何かしらの習い事をしていることが分かります。

出典:学研教育総合研究所 「小学生の日常生活・学習に関する調査」7.習い事について(2022年9月調査)
出典:学研教育総合研究所 小学生白書 「小学生の日常生活・学習に関する調査」2022年9月調査

しかしながら子供の習い事はスポーツに音楽、語学、学習塾、加えて最近ではプログラミングと種類が非常に多く、選ぶだけでも一苦労と感じるお母さん、お父さんは多いのではないでしょうか?

そこで今回は…

  • 習い事の種類
  • 習い事の効果
  • 習い事の選び方

についてご紹介したいと思います。

目次

習い事の種類

スポーツ系

水泳

水泳は子供の習い事の中でも圧倒的に人気を誇っています。
以下に理由をいくつか挙げてみます。

全身運動ができる

水泳は手から足まで全身を使う運動であり、筋力や持久力、柔軟性を身につけることができるスポーツです。また他のスポーツは陸上で行う運動であるのに対して、水の中で身体を扱うため、他のスポーツでは得難い運動感覚を養うことができます。

怪我のリスクが少ない

水泳はもっとも怪我のリスクが少ないスポーツと言われており、サッカーのように身体をぶつけたり、転んだりすることがありません(プールサイドで転んだりはあるかもしれませんが…)。
また水の中の運動は陸上と比べて身体の負荷が少なく、身体が成熟していない子供にとっても安全に運動できるスポーツといえます。

いざという時に泳げると安全

川や海のレジャーは楽しいですが、同時に怖いのは水の事故。
水の中で体を動かすことに慣れていないと、パニックを起こし最悪の事態につながることが考えられます。
水泳を習うことで水に慣れるのと同時に、水の危険と身の守り方を学ぶことができます。

体操教室

体操とは文字通り「身体を操る」ことであり、体操教室ではマットや跳び箱などの器具を使って、身体の基礎能力の向上、柔軟性、バランス感覚を養うことができます。
転がったり、飛び跳ねたり、逆立ちしたりするなど、普段では経験できない動きをすることで、運動神経の発達に効果的です。

体操教室に通うことの一番のメリットはすべての運動に活かしやすいことだと思います。
例えばサッカーやバスケットボールなどの球技では、体のバランスを保ちながらプレーすることが求められます。陸上競技や水泳などの競技であれば、柔軟性が高いことはアドバンテージになります。

子供が将来やりたいスポーツができたときに備えて体操教室に通わせておくことは、非常に良い選択といえます。
これは筆者の思い出なのですが、小学生の頃、体育がすごく得意な子がクラスに何人かいましたが、全員体操教室に通っていたんですよね。それを知って「自分も体操教室に通っていれば!」と子供ながら後悔したことを今でもよく覚えています。

子供時代に運動ができないと、自己肯定感が低くなってしまうかもしれませんしね。筆者と同じように「体操教室に通わせると学校の体育で苦労しないだろう」と考えている親は多いんじゃないでしょうか。

ダンススクール

ダンススクールは子供の運動能力、協調性、芸術的感覚を高める習い事として人気があります。

まず、ダンスは全身を使って身体を動かすため、体力や持久力を鍛えることができます。
また音楽に合わせて身体を動かすことで、リズム感覚の向上も期待できます。
さらにダンスはグループで踊ることが多く、コミュニケーション能力や協調性を養うことができます。

ダンスは運動的側面だけでなく、創造性を発揮する芸術的な要素も含まれており、運動と芸術両方の能力を高めることができるという点は他の習い事にはなかなかないメリットです。

文学系

音楽教室

音楽教室に通わせることは子供の教育に良いと言われています。

まず音楽それ自体が脳に良い影響を与えると言われており、特に音楽を演奏することで、右脳と左脳の活動が増加し、言語能力や空間認識力、記憶力など、様々な認知能力の向上につながります。リズム感覚や細かな指先の運動感覚も養われるので、実は運動能力の向上にも効果的です。

また楽器を上手に演奏できるようになるためには、繰り返し練習する必要があるため、継続的な努力が必要です。そのため子供は演奏ができるようになる過程で集中力や忍耐力を身につけることができます。

さらに音楽は言葉や身体では表現できない感性を表現することができるため、子供の想像力や自己表現力を高めることに繋がります。

絵画教室(お絵描き教室)

絵を描くことの効果は様々ですが、まず子供が自分の好きなように描くことで想像力や表現力を伸ばすことが期待できます。
絵を描くことは教室に通わなくてもできますが、講師から表現の手助けをもらうことで、想像力と表現力をより高めることにつながるのは大きなメリットです。

絵を描くことは音楽と比べると視覚的な感性を磨くことに秀でている習い事と言えるでしょう。
視覚から色彩や形状、質感などを認識し、クレヨンや色鉛筆などで被写体を表現することで、視覚的感性や観察力が養われます。

さらに絵を描くことは集中力が必要なため、「絵を描くときは集中するんだ」というONとOFFの切り替えが子供ながらできるようになります。子供の時から集中する体験を多くすることで、集中するべき場面で自然と集中することが得意な子に成長することが期待できます。

教室で絵を描く時間は決まっているため、より高いレベルになれば時間内に絵を完成させるための時間管理能力が身につくでしょう。

習字・書道

子供の字が汚くて読めなくて困っている親は結構多く、水泳や音楽教室にはおよばないながらも「習字・書道」は子供の習い事として人気があります。

習字・書道を習うメリットはなによりもまず、きれいな字を書くことができるようになることでしょう。
教室では正しい姿勢、書き順、筆の払い方、止め方を学び、繰り返し文字を書くことでバランスの良い文字がだんだん書けるようになります。

書道教室では毛筆だけでなく、硬筆も習うことが一般的です。
今の時代の子供はスマホのフリック入力が当たり前のため、鉛筆できれいな文字を書く習慣を与えられるメリットは大きいと思います。

子供からするとただ文字を書くのは退屈かもしれませんが、大人になったときにきれいな文字で書類が書けるというのは、大人の立場からすると大きな財産ですよね。忍耐強く習い続けてくれると嬉しいです。

学習系

英会話教室

英会話は習い事の中でも親が子供に習わせたい習い事の一つです。
英語を話せる力は現代社会では必須スキルの一つとなっており、「自分はからきしダメだったけど子供には英語で苦労させたくない」という思いから、子供を英会話教室に通わせたい親は多いです。

英会話教室では、ネイティブスピーカーの講師が授業を行うことが多く、リアルな英語の発音や表現方法を学ぶことができます。
対面式のグループレッスンであれば、同年代の生徒たちと交流することで英語でのコミュニケーション能力が向上することも期待できます。
オンライン通話でネイティブスピーカーの講師と受講する形式も多いので、学校から帰ったら、そのままリビングでレッスンを受けることも可能です。

子供は大人と比べると英語の自然な発音を身につけやすいため、日本語にはない発音の違いに気が付きやすくなることが期待できます。
(いわゆる「英語耳」が身に付きます。)

英語を身につけるには話すことが重要とよく言われますが、大人になるほど、上手に話せない気恥ずかしさから、英語が上達しにくいスパイラルに陥りがちです。
しかし子供は英語が話せなくても恥ずかしさをあまり感じず、遊び感覚で英語に触れるので、英語に親しむのは小さい子供の方が向いていると言えるでしょう。

学習塾

学校の授業に加えて、放課後に学習塾に通う子供は多いです。
学校の授業だと他の子供の理解度に合わせて授業を進める必要があるのに対して、学習塾だと人数が少なく(個別指導もある)、理解度別にクラスが分けられるので、学校と比べてより詳細な授業を受けたり、応用の効いた問題を解いたりすることができます。

また、そもそも受験を前提にカリキュラムが組まれていることが多いため、授業レベルが学校よりも高い傾向にあります。中学受験や高校受験などに向けて親だけでなく子供自身も学習塾に通いたいケースは非常に多いです。

プログラミング

2020年度より小学校でプログラミング教育が必修化されたことを受けて、子供の習い事としてプログラミングの人気が高まっています。

現代社会では、IT技術が急速に発展し、身の回りにはコンピュータで動く物が溢れています。そのため子供が将来どのような職業に就くにしても、プログラミング教育を含めた情報活用能力を身につけることが極めて重要となっています。

プログラミング教室では実際にプログラミングを構築しながら、エラーが起きた原因を見つけ、解決策を考えることが繰り返されるため、子供の論理的思考力や問題解決能力を養うことができます。

習い事の効果

ここまで子供の習い事について紹介してきましたが、子供に習い事をさせることでどのような効果があるのか考えてみたいと思います。特に子供は12歳頃まで習ったことをスポンジのように吸収するため、習い事の効果をよく理解して、何を習わせるか取捨選択することが重要です。

  1. 運動神経・健康面の向上
    スポーツやダンスなどを通じて身体を動かすことで、自分の身体を扱う感覚が磨かれます。また基礎体力や柔軟性が向上し、健康面にも良い影響が出ることが期待できます。
  2. コミュニケーション能力の向上
    習い事を通じて、同年代の仲間や先生との交流が生まれ、コミュニケーション能力や協調性が向上することが期待できます。
  3. 自己表現力の向上
    音楽や美術、ダンスなどを通じて、周りから批判されることを恐れず、恥ずかしがらずに自分の感情を表現することができるようになります。
  4. 論理的思考力や問題解決能力の向上
    プログラミングや数学などの習い事を通じて、論理的思考力や問題解決能力が磨かれます。

習い事の選び方

子供に習い事をさせる際には、まずは子供の興味や性格に合わせたものを選ぶことが大切です。以下のポイントに注意して習い事を選んでみましょう。

子供の興味を優先する

理由はどうであれ、子供自身がやってみたいと思う習い事があるのであれば、その気持ちを尊重してやらせてあげましょう。どのような習い事であれ、子供の成長の糧とするには子供自身の「やってみたい!」「上手になりたい!」という気持ちが重要です。

子供のやってみたい理由を聞いてみると結構浅いな~と思うこともあるかもしれませんが、まずは気持ちを尊重して、見学や体験に行ってみることをおすすめします。

子供と先生との相性を考える

子供が習い事を続けるうえで、先生との相性は非常に重要です。
「○○の音楽教室に通うとピアノがすごく上手になった」と聞いたので、子供を通わせたが、そこの先生と子供が仲良くなれず、結局習い事をやめてしまった…といったことは現実的に起こりえます。

そのため見学をして子供の様子を覗いてみたり、子供に直接「先生とは仲良くしている?楽しい?」と質問したりして、先生との相性に問題がないかチェックできるとよいでしょう。

プレッシャーをかけない

「私は子供の時に、これができなくて苦労したから子供にはやらせたい」という理由で子供に習い事をさせるケースは多いです。
そういった理由がきっかけで習い事をさせるのも間違いではありませんが、できるようになって欲しいという思いが強すぎて子供にプレッシャーをかけてしまっている場合は注意が必要です。親の気持ちは子供に伝わってしまいます。すると、子供なりに親の期待に応えようと無理をしているとストレスが溜まり、逆効果になってしまうことがあります。

子供の意志よりも親の意志で習い事を選ぶ場合は、必ず子供とコミュニケーションをとり、子供がその習い事を楽しんでいるのか、苦痛に感じているのかを感じ取ることを心がけ、習い事を継続するべきか判断するようにしましょう。

目次