社会人になっても学ぶ意欲を持ち続けている人ってどれくらいいるのでしょうか?
学生と違って学業が本分ではないものの、
「キャリアアップしたい」
「資格を取得したい」
「趣味をもっと楽しみたい」
さまざまな理由で勉強したいと考える社会人は一定数いるはずです。
そこで今回は社会人になっても学びたいと思っている人がどれくらいいるのかを調べてみました。
本記事は【社会人の学びに関する意識調査2022】(ベネッセコーポレーション)の調査データをもとに作成しております。
- 調査概要(抜粋)
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調査対象:18~64歳の男女(学生を除く)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査
有効回答数: 事前調査 35,508サンプル
本調査 3,330サンプル
※学習経験有無×学習意欲有無別の市場構成比に合うようにウェイトバック集計を実施 - セグメント
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本調査では、調査結果を元に学習状況を4つのセグメントに分類しています。
【A】社会人になってから学習経験あり × これからも学びたい
【B】社会人になってから学習経験なし × これから学習したい
【C】社会人になってから学習経験あり × 学習やめた(やめる予定)
【D】社会人になってから学習経験なし × 学習予定なし出典:【社会人の学びに関する意識調査2022】(ベネッセコーポレーション)
全体の学習意欲は47%

調査データによると、学習意欲のある社会人の割合は47%でした。
内訳をみると【A】「学んでいます層」が33.6%、【B】「学ぶつもり層」が13.5%と【A】「学んでいます層」の占める割合が多くなっています。
【C】「学ぶの疲れた層」の割合が4つのセグメントの中でもっと少ない11.5%であることから、一度学び始めると継続する人が多いのかもしれません。

性別 「学ぶつもり層」は女性の割合が多い
性別でみると、【B】「学ぶつもり層」は女性の割合が59%と他のセグメントと比べて女性比率が高い傾向が見られます。

年代 学習意欲は20代・30代の方が多い
年代別でみると、学習意欲がある【A】【B】層は学習意欲がない【C】【D】層と比べて20代・30代が多い傾向が見られます。
また50代から60代前半は学習意欲がある【A】【B】層よりも【C】【D】層に該当する傾向が見られます。
人は若い時の方がチャレンジ精神旺盛で、年を取ると新しいことにチャレンジしなくなるというのはよく聞く話ですが、この調査結果からも同様の傾向にあることが分かります。

職業 「学んでいます層」は正社員が多い
職業別でみると、【A】「学んでいます層」は正社員の占める割合が多く58.1%です。
「学ぶつもり層」は育児中の女性が多い?
また【B】「学ぶつもり層」は「パート・アルバイト」「専業主婦/主夫」の割合が他のセグメントと比べて多い傾向が見られます。
性別、年代で見たときに、【B】「学ぶつもり層」は、女性、20代・30代という傾向と合わせると、これから学びたいと思っている人たちの中には若年層の女性のパート・アルバイトないし専業主婦の人たちが他のセグメントと比べて多いことが予想されます。
20代・30代の女性のライフステージといえば、子育てが思い浮かびます。
日本では残念ながら育児の負担割合は男性よりも女性の方が多いのが実情です。
育児でフルタイムでは働けず、学習するような自分の時間もないけど、将来は何か学びたいと思っている女性が多いのではないでしょうか。
学習目的

今までの学習目的上位は「趣味・教養」「仕事の知識・スキル習得」
今までの学習目的としては、【A】「学んでいます層」【C】「学ぶの疲れた層」どちらのセグメントも「趣味・教養のため」「仕事で必要な知識・スキルの習得のため」が上位を占めています。
「仕事で必要な知識・スキルの習得のため」は興味はなくとも仕事の都合で必要に迫られて学ぶ必要があった人も含まれていると思います。
【C】「学ぶの疲れた層」よりも【A】「学んでいます層」の方が「趣味・教養のため」の回答割合が多いことから自発的に学ぼうとしている人が多いことが分かります。

これからの学習目的 上位は「趣味・教養」「仕事の知識・スキル習得」「収入アップ」
これからの学習目的としては、「趣味・教養のため」が最も高く、次いで「収入アップのため」が続きます。以降は【A】「学んでいます層」【B】「学ぶつもり層」で若干回答傾向にばらつきはあるものの、「仕事で必要な知識・スキルの習得のため」「副業/副収入を得るため」「将来のキャリアアップのため」の回答割合が多いです。

今までの学習目的とこれからの学習目的を比べると、収入アップの手段として「将来のキャリアアップ」よりも「副業/副収入」を選択する人の割合が多いことに時世を感じますね。
学習テーマ

学習テーマ 上位は「IT関連」「英語」「お金・資産運用」「国家資格」
今までの学習テーマとしては、「趣味・教養」と「ビジネススキル」両方の面を持つ「英語」が多数回答を占めています。

学習目的と掛け合わせて見てみると、「IT関連」はキャリアアップ、仕事で必要な知識・スキルの習得手段として学ぶ人が多く、「お金・資産運用」は「収入アップ」「副業/副収入」を目的として学ぶ人が多いです。

これからの学習テーマにおいても同様の傾向が見られます。


「IT関連」「お金・資産運用」をさらにドリルダウンして、どのようなジャンルについて学習しているのか知りたかったのですが、今回参照した【社会人の学びに関する意識調査2022】(ベネッセコーポレーション)では、そこまでの調査は実施されていなかったため、また追々どのようなジャンルが人気なのか調べてみようと思います。
学習課題

学習経験のある人の学習課題をみると、「時間がない」「やる気が続かない」という回答が上位を占めます。

ライフステージにもよるのですが、総務省統計局の「令和3年社会生活基本調査」によると、有業者の1日の生活時間における3次活動(自由に使える時間)の平均は、約5時間5分です。
5時間もあると思うかもしれませんが、この時間でテレビや付き合い、出かけるならその移動時間も含まれています。
他にもやりたいことがある中での5時間となると、学習時間に充てる時間がないという理由も頷けます。
一方での【C】【D】層の学習したいと思わない人たちの理由としては、「時間がない」「面倒/つらい」「学びたいことが見つからない」に回答が集中しています。

【C】【D】層は40歳以上が占める割合が多いため、ちょうど新しいことにチャレンジするのが億劫に感じ始める年齢なのかなと思います。
学ぶ意欲ある社会人って結構多い!でも実践するにはゆとりが必要
今回参照した【社会人の学びに関する意識調査2022】(ベネッセコーポレーション)によると、学習意欲のある社会人の割合は47%でした。
47%ってかなり多いなと思います。あとちょっとで半分ですからね。
自分の周りにいる社会人見てて、そんなに勉強してる印象がないので意外でした。
見えないところで勉強している(勉強したいと思っている)人が多いんでしょうかね。
勉強したいと思っている人が多くても行動に移せている人って少ないです。
1日たった5時間の自由時間の中で(他にも楽しいことがあるのに!)、わざわざ勉強に充てる人って結構なレアキャラです。
でもいくつになっても学ぶ大人ってカッコいいと思います。
わたしも目指したい。
普段くつろぐ時間を削って勉強時間に充てるのは苦痛かもしれませんが、やっぱり知っていること。できることが広がるのは素晴らしいことだと思います。
辛くなったらいったん中断してもいいと思います。
(やめてもきっと誰も文句いわないですよ!)
まずはちょっとだけ、くつろぐ時間を勉強時間に充ててみれば良いと思います。
勉強時間を増やすために家事、仕事の時間の過ごし方を一度見直してみるのもいいと思いますよ。