職場でのスキルアップや将来のキャリアパスのために資格取得を考える人は多いと思います。
資格の取得を目指そうとすると周りからは、
「目的を明確にしよう」
「取得後の活用をイメージしよう」
「費用対効果を考えるべきだ」
などなど…(釈迦に説法な)ありがたいアドバイスをいただくと思いますが、たいていの人にとって、「そんなの考えるのめんどくさい」というのが本音だと思います。
そこで今回は具体的にこれって決まっていないけれど、とにかく資格を取得してみたいとふわっと考えている人に向けて、取りたい資格ランキングをご紹介します。
この記事は株式会社メディアエクシードが実施した「2022年に取りたい資格」のアンケート調査をもとにランキング形式で作成しております。
調査対象:資格の取得を目指している方
調査日:2021年11月20日~23日
調査方法:インターネットによる任意回答
調査人数:538人(女性333人/男性205人)
年齢層:20代~50代
出典:株式会社メディアエクシード 2022年にあなたの取りたい資格はなんですか?【538人にアンケート調査!】, https://shikakuhiroba.net/column/67202
第1位 日商簿記検定
日商簿記検定とは、日本商工会議所が主催する簿記の資格試験です。
簿記の知識・技能の習得や、財務諸表などの情報をもとに企業の経営状況の把握、管理、分析するための能力を認定することを目的としています。
人気の理由
- 就職、転職活動でアピールポイントになる
会計や経理の仕事はあらゆる業界で必要とされる業務です。会計・税理士事務所はもちろん、金融関連、商社、コンサルティング会社なども企業の経営成績や財務状況を分析できる人材を求める傾向があるため、簿記の資格を持っていることで、就職や転職活動で有利に働くことが多いです。 - 実務に役立つ知識・技能が身につく
簿記の知識、技能の習得は企業の経営管理能力を身につけることにつながるため、実務としても役立ちます。 - 等級が幅広く、受験者の間口が広い
日商簿記検定は初級から1級まで4つの等級と原価計算初級が用意されており、自分のレベルに合わせて受験することができます。また大学のカリキュラムに簿記が含まれていることが多く、大学生が受験しやすい環境が整っていることも人気の要因となっています。
第2位 ファイナンシャル・プランニング技能検定(FP技能検定)
ファイナンシャル・プランニング技能検定(FP技能検定)は、個人や家族のライフプランに基づいた資産形成や資産運用のアドバイスを行う能力を測るための資格試験です。
合格すると国家資格であるファイナンシャル・プランニング(FP)技能士の資格を取得できます。
試験機関は日本FP協会(FP協会)と金融財政事情研究会(きんざい)の2つに分かれていますが、どちらの試験機関で受験しても資格の価値は同じです。
人気の理由
- 金融知識が身につく
ファイナンシャル・プランニングには、家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識が必要となります。資格取得を目指すことで、プロ目線のお金に関する知識を身に着けることができます。 - 就職、転職活動でアピールポイントになる
FP技能士は金融分野における専門性が高い人材であることを証明する資格です。資格を取得することで金融・保険業界での就職や転職に有利に働くことがあります。 - 将来的に独立への道が開ける
ファイナンシャルプランナーは顧客からの口コミや紹介で新規顧客を獲得できるようになるため、企業から独立することも夢ではありません。もちろん難易度は高いですが、うまくいけば、自由裁量で働きながら年収1000万円以上を目指すことも可能です。
第3位 宅地建物取引士
宅地建物取引士(宅建)とは不動産の売買、賃貸、管理などの専門家であることを示す資格です。
宅地建物取引士ができること
宅地建物取引士になると以下の独占業務ができるようになります。
- 宅建業法第35条に定める重要事項の説明
- 重要事項説明書への記名
- 宅建業法第37条に定める書面(契約書等)への記名
ここで言う「重要事項」とは不動産の取引をする際、契約締結前に取引相手に対して必ず説明しなければならない項目のことです。例えば
- 不動産の登記情報
- 自然災害と防災に関する情報
- 契約解除に関する事項
などの情報を契約前に説明することが法律で義務付けられています。
つまり不動産取引のために必要な重要事項の説明と契約書の作成は宅地建物取引士にしかできない業務なのです。
そのため不動産業界で働く人にとっては必須の資格となっています。
宅地建物取引士が人気の理由としては、不動産業界で働く人のほとんどが取得していることに加えて、最近はサラリーマン大家と呼ばれる副業スタイルで物件オーナーになる人が増えたことで、不動産取引に関する法律や手続きの知識を身につけたいと思う人が増加したことが挙げられます。
第4位 ITパスポート
ITパスポートはITに関するもっとも初歩的な資格であり、情報技術に関する基礎的な知識を問われる試験です。
コンピュータやインターネットに関する基本的な用語や原理、操作やアプリケーションソフトの基本的な使い方、情報セキュリティに関する基礎的な知識が問われます。
ITパスポートは情報処理技術者試験の中でも初級的な資格の位置づけであり、日商簿記や宅地建物取引士などの他の資格と比べると、就職活動や実務に役立つことは少ないといえます。しかし現在の就職・転職市場ではIT人材の需要が高まっており、IT関連の資格であるITパスポートは、その需要に応える有力な手段として認知されています。また、ITパスポートは比較的難易度が低く、受験費用や時間も比較的少ないため、多くの人にとって手軽に取得できる資格として人気があります。
第5位 Microsoft Office Specialist(MOS)
Microsoft Office Specialist(MOS)はMicrosoft Office全般に関するスキルを測定するための国際的な資格認定試験です。Word、Excel、PowerPoint、Outlookなどのアプリケーションを使用した業務上のスキルや知識を評価します。
MOS公式サイトが実施したMOS調査データ報告書によれば、MOSを取得した従業員や学生は、マイクロソフトオフィスのスキルが高まることにより、仕事や作業の効率が上がることが報告されています。
- MOSを取得した従業員の88%が、「仕事の成果が上がった」と回答。
- 管理職の85%が、「MOSを取得した従業員は、仕事の生産性が以前より高まった」と回答。
- MOSを取得した従業員の80%が、「マイクロソフトオフィスの知識とスキルで周囲から一目置かれるようになった」と回答。
MOSを取得する3つのメリット
- メリット1 マイクロソフトオフィスのスキルアップ
-
インターネットの普及に伴い、デジタルネイティブな人材が増加していますが、スマホやパソコンが操作できることと、オフィスソフトが使えることはまったく違う次元のスキルです。
- メリット2 働くことに自信が持てる
-
Officeソフトは業種・職種を問わず、企業で必須のアプリケーションです。就職・転職したばかりの中で、Officeソフトのスキルに秀でていることは、早くから有用な人材であることを認識してもらうことにつながります。
- メリット3 成果とイニシアチブの向上につながる
-
Officeソフトを使える人は多いですが、特定の機能以外のものを積極的に試してみようとする人はなかなかいません。平均的なユーザーのほとんどは、10%程度の機能しか使っていないと言われています。
MOSを取得することで、他の人よりも複雑で難しい業務を一人でこなせるようになり、仕事への貢献度アップにつながります。
どの資格を取得するべきか迷ったら…
資格が多く存在するため、どれを取得するべきか迷ってしまうのはよくあることです。以下のようなポイントを参考にして、自分にとって最適な資格を見つけることができます。
- 目的を明確にする
-
資格を取得する目的を明確にすることが大切です。転職やキャリアアップ、スキルアップなど、目的に応じて必要な資格が異なります。
- 市場価値を調べる
-
取得したい資格が求人市場でどの程度需要があるか調べることも大切です。業界の求人情報を見たり、人材派遣会社のサイトを確認したりして、市場価値を把握しましょう。
- 自分の強みに合わせる
-
自分の強みに合わせて資格を取得することで、自分自身がさらに成長することができます。自分のスキルや経験を分析し、それに合った資格を取得することを検討しましょう。
- 学習時間や費用を考慮する
-
資格を取得するには学習時間や費用が必要です。自分のスケジュールや予算に合わせて、取得しやすい資格を選ぶことが大切です。
以上のポイントを踏まえ、自分にとって最適な資格を選びましょう。また、資格取得には自己投資が必要ですが、将来的にはその投資が自分自身やキャリアにプラスになることも考慮してみてください。